「ご遺体の詰め物」をしなくなった経緯

詰め物廃止の経緯

近年、ご遺体の詰め物をしなくなった。かつては、口、鼻、肛門などに詰め物をして体液が漏れないように工夫していたが、それを無くした経緯です。
静岡県の榛原町(現牧之原市)に榛原総合病院という病院があります。
この病院である実験をしました。
それは、詰め物をした遺体と、しない遺体の後追い調査をしました。
多くのご遺体を調査した結果、「詰め物をしてもしなくても変わらない」という結論でした。
当時、弊社は東京大学附属病院で遺体搬送(病室~霊安室)の業務を委託されていました。同業務を委託されていた、4社が同病院の看護師長に呼び出され、ご遺体の死後の変化とうについて意見を聞かれました。
ところが、弊社以外の2社(1社は欠席)は何も答えられませんでした。それで、看護師長の質問に応答したのは私だけでした。
数か月後に、今度は弊社だけが、再度、呼び出されました。おそらく、他の3社は不要と思われたようです思われたようです。
そこで問われたのは、「亡くなった後の遺体に詰め物をするのはどのように思いますか?」でした。そこで、私は「詰め物はしてもしなくても変わりません」と答えました。
「何故ですか?」と問われ、榛原総合病院での調査のことを話しました。
すると、看護師長は「私たちも、その榛原総合病院に研修に行き、学びました」という返事が返ってきました。
続けて「貴方が、そのようにいうのでしたら、当病院は、今後、遺体の詰め物はやりません」と語りました。
おそらく、榛原総合病院の研修によって、「詰め物はしない」という方針が決まりかけていたのだと思います。しかし、それでも、一応現場で遺体を扱う葬儀社の意見も聞いて参考にしようと考えたのだと思います。
以降、東京大学附属病院では「遺体に詰め物」はしなくなりました。天下の東京大学附属病院で詰め物をしなくなったためか、その傾向は他の病院にも拡がり、今では多くの病院が「遺体の詰め物」はしなくなりました。
文責:大杉
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